2011年02月07日

ある親子の話

若い夫婦に子どもが生まれた。
様々な問題の中で生きていくことに必死だった二人はその中で精一杯子どもを育てた。
足りないところも、傷つけた事もたくさんあったが、それでも子どもを生かし大きくした。

けれど子どもはいつも思っていた。
「自分は愛されていない。」
「自分は不幸である。」
親を愛しながら、親を憎んでいた。
成長し、親の元を離れてからも何かうまくいかない事があると、不幸だった子ども時代のせいにした。
それでもある時、子どもは知ることになる。
自分は愛されていないわけではなかったことを。
過去は変えられなくても、今この瞬間からその先の未来は自分で選択し、決めていくことが出来ることを。
今の自分が不幸だとしたら、それを変えることが出来るのは自分しかいないのだと。
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ある日、親が子どもに言った。「あなたが小さい頃は悪いことをした。」と。
子どもは育ててくれたことに感謝していると伝えた。

してあげられなかった後悔や、してもらえなかった悲しみを引きずって生き続けるのはもうおしまい。
そうして親子の間の呪縛は解けた。

それぞれの精一杯がもう互いを傷つけることはない。
幸せを願い自分を生きていくのだから。
posted by 静 at 22:19| Comment(0) | おはなし